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「分娩機関の集約化は必須」と木村正・理事長が提言 産科婦人科学会

1226号 - 2019年12月 26日


 日本産科婦人科学会の木村正理事長は、11月22日に行われた同学会主催の勉強会において、「産科医師の長時間労働是正のために分娩機関の集約化は必須」と訴え、アクセス低下の埋め合わせとして「自治体や健康保険の保険者から支援金を支払うことも検討に値するのではないか」と提言した。

 木村理事長は、労働基準法で宿日直の回数について「宿直勤務については週1回、日直勤務については月1回を限度とすること」とされていることから、産科勤務医1人が宿直4回、日直1回の合計5回の当直が月当たりにできるとすると、年間で60回の当直が可能と試算。平日を年間250日として1日1単位、115日ある土日を2単位とすると、250+115×2=480を年間の単位数として算出。これを一人当たり年間当直回数60で割ると、「1医療機関当たりに8人がいないと当直を回せない」と主張した。

 2017年の同学会の試算で、「分娩取扱病院数を1054ヵ所とすると、1人当直体制で勤務医全員が当直を行うとしても8をかけた8432人が必要になる計算になるが、分娩取扱病院の勤務医の数は6200人強しかいない」ことから、「現在の分娩取扱病院数を維持して産婦人科勤務医の働き方改革を進めるのは、どう考えても無理」と懸念を露わにした。

 「お産は本来2人当直で、他に麻酔科医や新生児科医がいることが望ましい。1人当直体制では帝王切開のときはもう1人呼んでこなければならず、安全軽視と言われても仕方がない」として、分娩取扱病院の集約化は避けて通れないとの見方を示した。

 また「産む施設で健診を行う現在の体制は、産む人にとって便利で安心なシステムだが、もはや維持できない」として、「比較的遠方の分娩施設と、妊婦健診・産後ケアを行う近在の施設との役割分担が必須だ」との見解を述べた。

 分娩施設が減少した影響として周産期合併症の件数増加が懸念されるが、米国、フランス、カナダ、イギリスの例を挙げて、「分娩施設までのアクセスが1時間未満であれば合併症は増加しない」との見方を示した。しかし日本は、産後ケア体制の整備が不十分など特有の問題もあり、また移動時間と予後の関係の統計もないことから、今後の検討が必要だとした。

 市内にある医療機関の産婦人科の分娩休止に伴い、来年4月以降に出産する妊婦へ「出産支援金」として10万円を支給することを決めた兵庫県丹波篠山市の例を挙げて、「分娩機関を集約化し、アクセスの低下と引き換えに、自治体をはじめ少子化で出産育児一時金の支給が減っている協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険から、こうした支援金を支払うことは、分娩施設を維持するコストと比較して十分検討に値する」との見方を示した。

 医師の働き方改革で、特に取り上げられていないテーマとして「夜中に呼び出して患者を診た時間分だけ残業代を払う『オンコール』の問題がある」と指摘。「これまで現場で勝手にやっていることとして病院長は見て見ぬふりだったこともあって、政府の検討会でも個々の病院で勝手に決めてよいという議論になっている」が、「家にいると言っても、実態は完全拘束。位置づけをきちんと決める必要があるのではないか」と訴えた。


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